この記事では、Office展開ツール(ODT)を使用して、社内ネットワーク上のサーバーからMicrosoft365のインストール、更新プログラムを配信する方法を記載します。
インストール方式の問題点
Microsoft365(Office2019以降)は、いままでのインストーラ形式(MSI)は提供されず、クイック実行形式(C2R)のみとなっています。
クイック実行形式のインストールは、インターネット上のOffice Content Delivery Network(CDN)から必要なデータをダウンロードしてくるためネット―ワーク負荷の増大やインターネット速度によって作業時間が左右されてしまいます。
また、WSUSを使ってクライアントパソコンの更新プログラムを一元管理することができず、Officeの更新は、最新・月次・半期チャネルのいずれかにより自動更新されることになります。
Office展開ツール(ODT)
Office展開ツール(ODT)は、クライアントパソコンにコマンドラインで、構成ファイルに基づいてMicrosoft365をインストールすることができます。
この構成ファイルを編集することによりOfficeの配信場所やインストールするバージョンなどを管理することができます。
Office展開ツールのダウンロード
https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=49117
ダウンロードしたOffice展開ツールを展開します。
展開したファイルをクライアントパソコンからアクセス可能な共有フォルダ上に保存します。
構成ファイルは、Officeカスタマイズツールを使って作成することができます。
https://config.office.com/
インストールする環境に合わせてアーキテクチャーや製品、チャネルなどを選択します。
インストールのオプションで「ローカルソース」を選択し、ソースパスに共有フォルダへのパスを設定します。
更新とアップグレードのオプションで「ローカルソース」を選択し、更新パスに共有フォルダへのパスを設定します。
ライセンスとアクティブ化の「自動的にEULAに同意する」をオンにします。
全ての項目の選択後に「エクスポート」のボタンをクリックします。
既定のファイル形式は「現在の設定を保持する」を選択します。
XMLへの構成のエクスポートで任意のファイル名を入力します。
作成した構成ファイルを共有フォルダ内に保存します。
Officeのインストールパッケージをダウンロード
共有フォルダを設定したサーバに管理者権限のユーザでログインします。
コマンドプロンプトを管理者権限で起動し、コマンドを実行します。
コマンドを実行するとインストールパッケージのダウンロード始まりますので、完了するまでしばらく待ちます。
共有フォルダのパス\setup.exe /download 共有フォルダのパス\Configuration.xml
クライアントパソコンへOfficeのインストール
クライアントパソコンに管理者権限のユーザでログインします。
コマンドプロンプトを管理者権限で起動し、コマンドを実行します。
コマンドを実行するとOfficeのインストールが始まりますので、完了するまでしばらく待ちます。
共有フォルダのパス\setup.exe /configure 共有フォルダのパス\Configuration.xml
Microsoft365へのサインイン
Officeのインストールが完了後にサインインを行い、Officeが使用できることを確認します。